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2015年01月01日

戦前のお正月の思い出。簪が燃えてしまいました。

2015.01.01.

戦前のお正月の思い出。
簪が燃えてしまいました。


今日は元旦ですから、
わたくしの子供時代のお正月の思い出で
一番鮮烈なものをご紹介しましょう。


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毎年のことですが、
わたくしのお正月は初詣から始まります。


昔のことですから、
テレビもなく「紅白歌合戦」を見るということもありません。


大晦日の夜になると、
どこの家でも家族揃って神社に初詣に行ったものです。



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わたくしの家は古い神社のすぐ脇でしたから、
お大晦日になると、
太鼓の音や人々の声で、
それはそれは賑やかだったものです


大人も子どもも正装をして、
白い息を吐きながら挨拶をしています。






神社には大きなお鏡餅が沢山お供えされています。


どこの家でもここぞとばかりに初穂料をはずんで、
御札をいただきます。


わたくしのいた家は古くて大きな家で、
しかも本家でしたから、
神社の総代も務めていたのです。


それで、
毎年いただく御札も特大で、
6枚並べるとちょうど畳一畳になるほどの大きさの板でしたよ。


そんな御札を恭しく持った養父は
大柄だったこともあって、
大変立派な姿でした。


わたくしも養母に連れられて、
嬉しく挨拶の真似事をしたものです。







あのときは、
わたくしはまだ小学校に入る前のことでした。


赤や桃色の綺麗な着物に
綿入れの半纏を着せられて、
頭には簪をつけてもらっていましたから、
会う人会う人に可愛いと褒めてもらって、
わたくしはもう有頂天になっていたのです。



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思い出せば、
昔はとても寒かった。


あの日も雪こそ降らなかったけれど、
しんしんと冷えてきて、
身震いするほどでした。


境内には大きな篝火が焚かれていますので、
無病息災・火防の御神徳を賜るということもあって、
わたくしも凍えた手を差し出して当たっていたのです。






すると、
なんということでしょうか、
わたくしの頭から簪が落ちてしまったのです。


それは赤い櫛で、
赤い牡丹の花の飾りがついていて、
とてもお気に入りのものでした。


そしてなによりも、
わたくしを可愛がってくれた東京のおばさんに貰ったもので、
大事な自慢の簪だったのです。


わたくしは慌ててその簪を拾おうとしましたが、
あっという間に炎となって、
燃え尽きてしまいました。


というのも、
当時は簪も櫛も玩具も筆箱もそして眼鏡の縁も、
セルロイドのものが多かったのです。


セルロイドは安価な合成樹脂で、
90度になると軟らかくなるので、
加工がしやすかったということで、
世界中に広まったのです。


ところが、
光などで劣化しやすい上に、
非常に燃えやすく、
火災事故多発の原因にもなったので、
後には、市場から排除されて、
アセテートやポリエチレンなどに変わっていったという訳なのです。









とにかく、
わたくしの宝物だった簪はわたくしの頭からスルッと抜け落ちて、
そして、あっという間に燃えてなくなってしまいました。


悲しくて悲しくて、
お正月早々泣きながら帰ったのを覚えていますが、
今思えば、
この簪はわたくしの命の恩人だったのかもしれません。



もし、
わたくしの髪の毛が硬くて沢山あって、
おでこが出ていなかったら、
きっと簪はしっかりとわたくしの頭にとどまっていてくれたことでしょう。


そして、
わたくしが篝火に小さな手を差し出したとき、
簪に火が燃え移ったとしたら。。。


ああ、
想像するだけでなんと恐ろしいことでしょうか。


セルロイド製品のせいで、
こういった悲惨な事故が非常に多かったのです。


ですから、
わたくしの髪の毛が猫っ毛で、
しかもおでこが広くて、前髪がいつも割れていたというのは、
わたくしにとって、
命拾いの元だったといえるのです。


あの東京のおばさんのくれた簪は、
わたくしの頭からスルッと抜け落ちて、
そして、わたくしの身代わりになってくれたのでしょう。


そのおかげで、
今の八十路小町がここにいるという訳ですね。


本当に本当にありがたいことです。







さて、
初詣から帰ると、
新宅から実の父母たちが挨拶にやってきます。





お雑煮を食べたあとは
養父がお年玉をくれます。


さあ、
のし袋にいくら入っていたでしょうか?


残念ながらよくは覚えていないのですが、
お札ではなくて、
硬貨だったような気がします。


なんといっても、
まだ小学校に入る前のことですからね。


お年玉で何を買ったかですか?



それについてはまたの機会にね。






ではまた、ごきげんよう。。。




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posted by 八十路小町 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 昔のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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