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2017年10月06日

友人の兄嫁さんは、絶対に帰って来ぬ人を待ち続けているそうです。

2017.10.06.

友人の兄嫁さんは、
絶対に帰って来ぬ人を待ち続けているそうです。



先日は図書館の帰りに、
友人にぱったり会いました。



友人は息子さんの家族と一緒になって、
お兄さんが亡くなってからも、
兄嫁さんの面倒を見ています



兄嫁さんはお兄さんが存命の頃から、
いわゆる「まだらボケ」の状態で、
なかなかに対応が大変なのです。




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兄嫁さんは何か不安なことが出てくるとすぐ、
時間も構わずに、
友人や息子さんに携帯をかけてきます。



物がないなんていうのは、
いつものことです。



ある日の真夜中のことです。



友人が眠っていると、
携帯の音が鳴り響きました。



「ねえねえ、大変なのよ。

明日は病院の日だから、
あなたがつれに来てくれる前に準備をしておこうと思ったのに、
健康保険証がないのよ」



「あら、お義姉さん、
病院は明日じゃなくて、来週よ。

それに、健康保険証なら、この前病院から帰ってきて、
いつものところに仕舞ったじゃないの」



「そうだった?

でもね、それがね、ないのよ」



「引き出しの中をちゃんと捜したの?」



「引き出しの中のものを全部出して捜したわよ」



「まあ、おかしいわねえ」



「泥棒が盗って行ったのかしら?」



「泥棒にでも入られたような感じなの?」



「それがそうでもないのよ。

だからこそ、気味悪いのよ」



「怖い、怖い」と言って、
兄嫁さんは泣き出してしまいました。



「じゃあね、明日は病院の日じゃないけど、
そちらに行くから、
一緒に捜しましょう」




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翌日のこと、
友人は急用が出来て外出しました。



帰ってきて、忘れて行った携帯を見ると、
お義姉さんからの着信が入っています。



それで、
お義姉さんの携帯にかけ直したところが、
何度かけても出ません。



ときどき、
お義姉さんは気に入らないことがあると、
わざと友人の携帯を無視することがあるので、
また今度もその手かと思いましたが、
それでもやはり心配になって、
慌ててお義姉さんのところに駆けつけました。









すると、
お義姉さんが泣きついてきました。



「ねえねえ、今度は携帯を盗られたのよ。

やっぱり泥棒が入ったのよ」



「まさかそんなことはないでしょう。

だって、今朝、携帯をかけてきてくれたでしょう?」



「いいえ、私、あなたに電話などかけませんよ」



「まあそうなの?

でもちゃんと着信が残っていたわよ」



「でも、それ私じゃないよ」



「そう?

でも、お義姉さんの携帯からの着信履歴があるんだから、
お義姉さんがかけてきたんでしょう?」



「それでも私じゃないのよ。

だって、肝心の携帯がないんだもの」



「あらまあ、困ったわねえ。

とにかく一緒に捜してみましょう。

先ず、健康保険証からね」








居間に行くと、
引き出しの中身をぶちまけてあって、
その中に、ちゃんと健康保険証があったそうです。



それからさんざん探し回ったけれど、
ついに携帯電話はみつかりませんでした。



捜し疲れて、
一旦休憩、お茶の時間としました。



友人が汗だくになって、家中探し回っている間、
お義姉さんは涼しい顔をして、テレビを見ていたのですが、
急に振り向いて言いました。



「私にはチョコレートのアイスクリームを出してちょうだよ」



「はいはい」



友人が冷凍庫を開けると、
なんと、そこにはお義姉さんの携帯電話がカチコチになって鎮座ましていたそうです。



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そういう騒ぎは毎度のことで、
お兄さんが亡くなったあとのことを色々したくても、
書類や貴重品なども、行方知れずで、
一体どこにあるのか分からないとのこと。



あんなに趣味が沢山あったのに、
今では家でテレビを見ているだけの生活になったお義姉さんは認知症が進んできています。



そこで、
老人ホームに入って貰おうと思って、
何度も話をするのですが、
お義姉さんは頑として承知しません。



まだ入院中ということになっているお兄さんを待っているというのです。



「あの人が帰ってきたときに、
もしも、私がここにいなかったら、
あの人は帰ってくる場所が無くなってしまうのよ。

あなたたちには世話をかけているけれど、
そんな可哀想なことはできないわ」








そして、
病院に御見舞に行きたいと、
何度もせがむのです。



その度に、
友人や息子さんは宥めます。



「今日は駄目、明日は駄目ってばかりで、
あなた達、どうしてそんな意地悪ばかりするの?」



怒る兄嫁さんに対してすることは、
もう決まっているそうです。



「じゃあ、病院に電話をかけて聞いてみましょうね」



病院には予め頼んであって、

「今日は検査があって駄目なんですよ」

「ご主人が奥さんに元気でいるようにと言伝されました」

「来週なら大丈夫だと思いますよ」

などと、
話を合わせて貰います。



すると、お義姉さんは大人しく納得するのだそうです。



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お兄さん夫婦はいわゆる政略結婚で仲がよくなくて、
子供も生まれなかったし、
喧嘩をしてはよく「プチ家出」をしていたお義姉さんだそうですが、
「今では純情な乙女みたいなのよ」と、
友人はちょっぴり淋しそうに微笑みました。



友人のご主人は大変忙しい人で、
年の半分くらいは国の内外を飛び回っていました。



定年になったら一緒に旅行をしようというのが約束だったのですが、
その定年になるほんの2年前に亡くなってしまったのでした。



「心配の種は尽きないけれど、
将来のことを考えて暗くなっているだけ損だから、
せいぜい楽しく過ごしましょうよ」



「本当にその通りよねえ。

また今度お茶でも飲みましょう」



「元気でね」




ではまた、ごきげんよう。。
















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posted by 八十路小町 at 23:59| Comment(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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