1960年のチリ地震による津波の日。
吉村昭の『三陸海岸大津波』を読みました。
昭和35年の今日5月24日は
前日のチリの大地震の津波が日本の太平洋沿岸に到達し、
大きな被害をもたらした日です。
昭和35年といえば、
娘のピヨ子も生まれていて、
その世話に忙しかったからでしょうか、
当時はまだテレビも見ませんでしたから、
そのニュースのことはあまり覚えていないのです。
今になって思うには、
わたくしの住んでいた地方は太平洋には面していなかったので、
幸いなことに津波も大したことはなかったから、
大きな騒ぎにもならなかったからでしょうね。
チリという遠い国、
地球のちょうど裏側で起きた地震によって、
大きな津波が襲ったのは三陸海岸でした。
ここはリアス式海岸なので、
海岸線がギザギザになっているので、
特に津波の被害が拡大しやすいのです。
1611年12月2日に発生した慶長三陸地震による津波。
1896年6月15日に発生した
明治三陸地震による津波。
1933年3月3日に発生した
昭和三陸地震による津波。
1960年5月23日(現地時間22日)に発生した
チリ地震による津波(チリ地震津波)。
2011年3月11日に発生した
東北地方太平洋沖地震による津波。
こんなに何度も大きな津波が三陸海岸を襲い、
大きな被害が出ました。
そのうちの
「明治三陸津波」「昭和三陸津波」
「チリ地震津波」
を題材にした記録小説が吉村昭の『三陸海岸大津波』です。
わたくしはこの本を
かなり前にピヨ子の家に滞在しているときに読みました。
そして、
去年の入院中にももう一度読んだのです。
![]() 三陸海岸大津波 [ 吉村昭 ] |
三度の大津波を経験した人の証言や記録、子供たちの作文などを丹念に集めて、
丁寧に編んだもので、
その様子が実際に目の前で起きたことのように再現されました。
この本の最後に出てくるのですが、
三度の三陸海岸大津波と昭和43年の十勝沖地震津波を経験した生き証人の老人が
このように言ったそうです。
「津波は、時世が変ってもなくならない、
必ず今後も襲ってくる。
しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、
死ぬ人はめったにいないと思う」
吉村昭さんは2006年7月31日に満79歳で亡くなりました。
もし、
もうあと5年生きて、
2011年3月11日の東日本大震災を経験したなら、
一体、どのように思ったことでしょうか?
先月は熊本で大きな地震が起きました。
今後、
日本は大きな地震や火山の大噴火が起きるとされています。
不安な気持ちとともに、
自分でできることはしっかり準備しておかなくてはという気持ちが湧いてきました。

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吉村昭さんはわたくしもピヨ子も大好きな作家です。
俳句も研究し、
作品もあるということですから、
また今度、
ご紹介したいと思います。
ではまた、ごきげんよう。。。
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